松ちゃんこと松本人志さんの性加害問題。
引退すべきでは?という意見もネットでは散見されるけど、今のタイミングでその判断は賢明なんだろうか?
賛否両論がある中で、引退すべきとする理由として…
- あの文春が性加害を報じている。証拠があるはずだ!
- 被害者がいるのにテレビに出るのはおかしい
- 影響力があるので表舞台から去るべき
といったものが多く、引退すべきじゃないとする理由として…
- 文春報道が嘘か本当かまだ分からない
- 嘘情報なのに引退すると認めたことになる
などがある。
どちらも正しいような気もするが、調べてみた感じでは、次のような理由から”引退すべきじゃない”一択だと思っている。
松本人志氏の性加害報道はどこまで信じれるのか?
文春が報じることはすべてが真実なのか?証拠は出ているのか?
まず文春が報じる内容は常に正しいのか?という点。記事になったからと鵜呑みにしてもいいのだろうか?
その正確性には疑問符が残る部分はどうしてもあります。
事実、過去3年分の週刊文春のスクープ記事の真偽を調べてみますと、文春砲と言えどもかなりの高確率で誤報(もしくは事実認定できず)であることが分かっています。
特に客観的証拠がない場合は、誤報で終わるケースがほとんどです。
松本人志氏の性加害問題の記事内容
この記事を書いている時点での週刊文春最新号の内容では…ということになりますが、スピードワゴン小沢氏のLINE画像などは出てましたが、そのほかに証拠となるようなものが掲載されていません。
そのLINE画像も事件を直接感じさせるやり取りではありませんでした。普通のやり取りだと言えば、普通のやり取りにしか見えなくもないです。
また、今はLINE画像を捏造しようと思えば比較的簡単に作れてしまいますので、LINE画像やSMSの内容を証拠と断言するのも無理があるように思います。
※LINE画像を捏造する手法も検索すればすぐに出てきます。
LINEスクショは証拠になるのか?偽造できるか?検証してみた - スマホ修理のスマホステーションのブログ
また、被害者側の証言だけで記事になっていますので、客観的証拠がない状態です。
事実として受け止めるのは時期尚早です。
性加害報道が出れば必ず引退なのか
性加害報道が出るというのは、かなり大きな出来事だとは思います。
では、過去の性加害に関する報道とその後の対応などから、性加害報道が出た後はどういう決着を迎えることが多く、その後どうなっているのかを調べてみましたところ次のようなことが言えます。
- 事実の場合、表舞台から塵も残らないレベルで消える
- 疑惑レベルでも、印象次第で表舞台から消える
この2点です。
ジャニー喜多川
2023年、記憶に新しいところではやはりジャニーズ問題です。
未成年の少年への性加害、長期間にわたり、かなりの数の少年が被害に遭っていたことが問題視され、ジャニーズ解体という結果になりました。
この事件の加害者本人は亡くなっていますが裁判で事実だとする判決も出ています。
問題はこの事件を過小評価して被害者への補償や、犯罪を再発させないための対策などをまったく行ってこず、メディアも事件を取り扱おうとしなかったという芸能界の構造の異様さが問題視されました。
その改善として業界全体の意識改革と、ジャニーズを終えるという大きな変化に繋がっていますので、性加害が事実であり、なおかつ大きな影響力を持つ存在がそれを行っていた場合は、会社や業界そのものが大きなダメージを負うことにはなると言えます。
木下ほうか
俳優の木下ほうか氏も、女優に対する性加害を週刊誌で報じられ、その後、無期限休止状態となっております。
新人女優に演技を教えるなどで誘い出し、その後、無理やり関係を迫ったなどのもので、当初は記事内容を否定し、事実無根な内容で名誉を傷つけられたとして裁判を起こしていましたが、結果、その提訴を取り消し、事実を認める形で決着がついています。
榊英雄監督の盟友、木下ほうかの「性加害」を2人の女優が告発する | 文春オンライン
このような事例があるので、今回も週刊誌報道を否定したとしても事実はどうなのかわからないという疑念を生むことにもつながっているとも思います。
山本圭一
極楽とんぼの山本圭一さんも、性加害問題でニュースになり、表舞台から姿を消しています。
ただ、「未成年相手に強引に関係を持った」という当初の報道とは違い、本人は「年齢を偽られていたし、強引ではない」と主張をしています。
もちろん客観的な証拠となるものはありませんが、その後、示談が成立し不起訴となっています。
山本圭一は何して干された?未成年との不祥事にハニートラップの説。被害女性の画像 | ROCK NOTE
ただ、この事件の当事者の女性が、事件解決後もメディアの取材に積極的に応じたりすることから、お金が目当ての美人局だったのでは…?などの疑念がささやかれるに至ってます。
しかし、事務所とは契約解除となり、当時のレギュラー番組もすべて降板となり、謹慎という名の開店休業状態でその後10年間テレビに出ることはできませんでした。
謝罪をしてテレビ復帰を果たしたが、以降もテレビ出演はほぼなく、ネットでの活動が中心となっていますので、一度表舞台から去ると復活することはほぼ不可能と言っても良いのかもしれません。
性加害報道での引退による影響
過去の芸能界の性加害事件を参考にしますと、事実であった場合は芸能界の表舞台に残ることすら厳しいということがわかります。
加えて、報道されている内容が事実と違うとしても(山本圭一氏の未成年との関係を疑われたが、相手は成人だと偽っていたのでわからなかった)、ややクロという程度でも芸能界に残ることは厳しいと言えます。
では、なぜ引退という方向で決着するのか?
そのメリットの部分を上げると次のようなことが考えられます。
引退することのメリット
被害者へのケア
被害者側が、加害者の名前や存在がメディアに出ることで心の傷がよみがえる可能性があるので、メディアから存在を消すことで心の傷をケアしたい。
再発防止・抑止
芸能人が問題行動を起こした場合、仕事そのものがなくなるんだぞ!という、一種の見せしめとしての対応でもある。
社会への啓もう
芸能人のような影響力のある人物に対して厳しい処罰を与えることで、問題を起こした場合、このような社会罰を受けることになるんだぞという社会全体への啓もうにもなる。
会社側への意識高揚
その芸能人を雇用している側、また番組で使っているメディアなどは、問題行動を起こす芸能人を使うことのリスクを知ることになるので、コンプライアンス意識のより一層の向上にもつながる。
引退することのデメリット
引退することのメリットを見る限り、事件が事実であった場合は表舞台に出てこれなくなるのも致し方がないな…とも思います。
ただ、あくまで問題行動が確認された場合ですし、引退は次のようなデメリットを引き起こすことになります。
事実を認めた印象
報道されている内容は事実とは違うが、引退を選ぶことでそれを認めたとみなされる可能性が非常に高いです。
その後に「あれは事実じゃないので引退取り消し」と言っても、じゃあなぜ引退したの?という余計な疑念を抱かせることになりますし、それを払しょくするのは非常に難しいと思われます。
後輩や仲間への影響
事実じゃないことを「事実じゃないぞ」として本人が立ち向かうのか、事実じゃないけど引退も考えていたから…みたいな感じで引退するのかで、後輩や仲間たちへのメッセージは異なるはずです。
まず戻れない
過去の事例を見ると、事件が事実か否か以上にそこで引退や謹慎をしてしまったのかどうかでその後は大きく変わってくることがわかります。特に影響力が大きい人ほど、戻れないと感じます。
つまり・・・
今日現在の週刊文春に出た松本人志氏の性加害報道で引退すべきか否かを判断するなら、”自ら引退をしなくていい”というのが現時点での結論だと思います。
理由として…
- 事実と断定できる根拠が希薄である上に、事実否認をしているなら引退は事実と認めた印象となる。その影響は大きい。
- 表舞台から去るとそう簡単に戻れない。それに人気商売ですから、不要ならファンから離れる
ネット上ではさも事実として受け止めている人も少なくないようですが、事実だとする根拠がまだ乏しい現時点で、そのような声は焦りすぎだと思います。
むしろ、あの程度の根拠で事実と決めつけて叩く行為自体が間違った行為だとも言えなくもないです。
でも、事実なら週刊誌の追加報道を待たずに去るほうが良いかと思いますが、ご本人は対抗する気満々ですし、やっぱり全体をちゃんと見れてる人だなという気がしてうれしくもあります。
いつ辞めても良いと思ってたんやけど…
— 松本人志 (@matsu_bouzu) 2023年12月28日
やる気が出てきたなぁ〜。