2023年の年始早々からツイッターで話題になっているcolabo問題。
トレンド入りしているのでチェックしてみてはいたのですが、いくつかの話題が錯綜しているように見えて、今一つ何が起きているのかが掴めないな…という印象を持っていました。
そこで一度整理してみようかな…ってことで調べてみたので、まとめてみました。
その結果分かった事は、”貧困ビジネスでお金を稼いで、とある政党に流してません?”という疑惑が根底にあるということです。
それが根底にありつつ「会計おかしいけどどうなの?」という疑惑があがり、都の監査請求の対象になったということで年末年始に大きな話題になっているようです。
colaboの会計問題について
今回のcolabo問題。主に以下の3者による応酬が注目を浴びています
この3者の応酬が注目を浴びています。
時系列での主要な出来事まとめ
いつ | 誰が | どうした | なぜ |
2022年10月31日 | 暇空茜 | noteで不正会計疑惑を公開 | 過去の会計資料に違和感 |
2022年11月02日 | 東京都監査事務局 | 監査請求受理 | |
2022年12月28日 | 東京都監査事務局 | colabo側に客観的な証拠の提出を求める | 数値の根拠が不明 |
2023年1月4日 | 東京都 | 若年被害女性等支援事業住民監査請求監査結果を発表 | 令和3年度東京都若年被害女性等支援事業委託契約の委託料の精算には不当な点が認められる |
2023年1月4日 | colabo | ”【弁護団声明】東京都に対する住民監査請求結果について”を公開 | 本件監査においては、なんら違法行為は確認されず、監査請求人が主張した事実のほとんどは認定されないとの主張 |
記事執筆時点では以上の流れとなっており、今現在での結論をまとめますと”NPO法人colaboの会計への指摘には不明瞭な点がある”と東京都が認めている状態です。
なので、東京都監査事務局からNPOを管轄する東京都福祉保健局へ監査結果に疑わしい所があるからちゃんと調査しなさいとの指示を出しています。
界隈の意見
監査請求が通過し、その請求が正しいと認めらることが快挙
住民監査請求は本当に難しい。colabo委託事業に関する暇空茜氏の住民監査請求が通ったのは奇跡的な確率だよ。
— 宮崎タケシ元衆議院議員@維新 (@MIYAZAKI_Takesh) 2022年12月29日
2018-20の3年度で全国都道府県への監査請求は350件あったが、ほぼ2/3は本人の取り下げか却下(門前払い)で、1/3が棄却(原告“敗訴”)
原告“勝訴”にあたる勧告はたった1件。0.3%しかない。
この発言の根拠を少し調べてみましたが、これを裏付けるに近い資料がありました。
こちらの表では合計294件の申請に対して3件の勧告となっており、その確率1%です。99%は請求が棄却か却下扱いになっておりますので、今回の東京都の反応はやはり特殊なものと言えます。
会計管理をもっとしっかりやりなさい!
私がColaboらと東京都、国に求めてることは
— 宇佐美典也 (@usaminoriya) 2022年12月15日
・準委任の委託事業のしっかりとした会計管理
・明朗会計できる体制を作るまでは公金の委託、補助事業から関係事業者を排除すること
・併せて利益相反の可能性がある関係者の政府委員からの辞任
です。普通の業界ではごくごく当たり前のことです。
NPOやNGO周りの会計管理が甘すぎることも問題の根幹にあるので、もう少ししっかりとした会計管理ができるようにしては?という元経産省の宇佐美さんの提言です。
疑惑が晴れた!(???)
Colaboとしては当然の結果ですが、「違法」なことも「会計不正」もなかったことが明らかになりました。
— 仁藤夢乃 Yumeno Nito (@colabo_yumeno) 2023年1月4日
ぜひ多くの方に読んでいただきたいです。 https://t.co/SAoDySKBbK
本件は滅多に認められない住民監査請求が認められた極めてレアな事案であり、それは会計に疑わしい箇所があると東京都が認めたことを意味しているのですが、なぜかcolaboの代表の武藤さんは強気に発言されています。
監査結果は領収書に示されていない支出や、実態把握ができない報告などについて、「不適切な点がある」と判断。また、高額なレストランでの食事代やホテル宿泊代は必要経費としての「妥当性が疑われる」と指摘した。https://t.co/299J0mWd4E
— ひろゆき (@hirox246) 2023年1月4日
何故が勝利宣言。
日本語がわからなくなっちゃった? https://t.co/FOoIesuDIo
colaboが不正会計をしているとは思えない
私は #colabo が不正会計をしていると考えていませんので、追求の必要はないと思います。 https://t.co/r2XTAaJ4Zx
— 🌺大椿ゆうこ/茨木から府議会に挑戦🌺 (@ohtsubakiyuko) 2022年12月31日
社民党の大椿さんは、colaboは不正会計をしていないとの見解で、そう思うので追求しなくていいというスタンスのようです。
そういうものなのかな・・・?
とてもよくまとまっている記事
この件に関してとてもよくまとめられている素晴らしい記事も紹介させていただきます。
東京都の見解を具体的に知りたいという方は必読です。
colabo問題が炎上している背景
NPO法人が監査請求を受けただけでなぜこんなにも界隈は燃え上がるのか?と、この騒ぎの規模感に僕は違和感を覚えました。
そこでもう少し調べていくと、どうやらcolaboの代表でもある仁藤さんに対するものをはじめとして、この界隈は10年以上種火のようなものがくすぶり続けている状態のようで、今回の不正会計で燃料が投下され一気に燃え上がったようです。
(なお、10年前の2011年ぐらいにツイッター界隈で仁藤夢乃さんの名前が出始めており、その時はAKBに所属している妹さんのお姉さんという触れ込みだったようです)
その種火となったものをザックリ分類すると次の3つになります。
- 人物 … 仁藤氏への好き嫌い
- 業務内容 … 貧困ビジネスをしているのでは?
- 支援者 … 共産党が支援しており、その活動のためにお金を流しているのでは?
大きくわけてこの3つの火種があり、最近は貧困ビジネス疑惑でやや注目を浴びている団体だったようです。
1つ目の好き嫌いは、注目度と影響力が高まると比例して大きくなるものですから仕方がない部分があるかと思いますが、他の点に関しては今回の件と相互に作用しあっていると思われます。
貧困ビジネス
colaboに関してはむしろこちらのほうが大問題だと思われます。
貧困ビジネスを展開しているのではないのか?という疑惑です。
今回の不正会計騒動に端を発して、いくつかの言質に近いものが表に出てきております。
それが本当なのか嘘なのかを証明する客観的な証拠がありませんのでなんとも言えませんが、colaboシェルターに入った当事者の意見や、福祉関係者の意見というのは現実や事実にかなり近いものだと思われます。
そもそも貧困ビジネスとは?
貧困ビジネスとは何か。この言葉を作った湯浅誠氏はこう定義しています。
貧困ビジネスとは「貧困層をターゲットにしていて、かつ貧困からの脱却に資することなく、貧困を固定化するビジネス」
加えてこうも書かれています。
定義上、良い貧困ビジネスというモノはない。貧困は克服されなければいけないモノであって、貧困ビジネスも克服されなければいけないのだ。
その記事の中で書かれているのですが、貧困ビジネスのビジネスモデルのカギは”家”にあります。
住む場所がなくなると人は弱くなります。
住む場所を得るためならどのような条件でも飲むようになります。
そのような方に住まいを提供する。その代わりに…と対価を求めます。
その対価としてよくあるのが仕事をあっせんするというもの。
この仕事をやりなさい、そのうちの〇割は住む場所を提供している対価としてもらいますというもの。その対価が非常に高額であるため、貧困状態から脱することができず貧困が固定化していく。
これが貧困ビジネスです。
今SNS界隈で問題視されているのが、生活保護受給者に住まいを提供する代わりに生活保護費の多くを搾取するというものです。
生活保護費の大半が搾取され貧困から抜け出すことができない。しかし住まいを失うのは困る…という状態になり、その人の生活保護状態と貧困が固定化します。
貧困ビジネスを展開する側は生活保護を受け続ける人が増えて定着するほど安定した儲けになりますので、むしろそういう人が増えるのは好ましいとなります。
結果、社会的に支援をするという名目で立ち上げたNPOであっても実態が貧困ビジネスなら結果的に貧困を固定化させているだけということになります。
colaboは若年層の家出少女の保護を建前に、その子たちに生活保護を受けさせ、その生活保護費の大半を住環境を提供する対価として吸い上げるというビジネスモデルを展開しているため、貧困ビジネスでしかないという批判を受けておりました。
貧困ビジネスを擁護する似た形態のNPO法人
貧困ビジネスに、本物と偽物に分けるラインでも存在するのか。お気持ちで法律も捻じ曲げる、情治国家の隣国のようだ。少額の万引きは偽物で窃盗ではないと?お尻を触る程度の痴漢は、レイプよりマシだから偽の性犯罪とか?貧困ビジネス自体を、全て無くすべきで、法治国家にお気持ちは通じない。 https://t.co/KLpoAlXSNC
— にこ姉 (@nikone_25) 2023年1月2日
今回のcolaboさんの一件を受けて、同様に貧困者を対象にしている別のNPO法人さんも貧困ビジネスではないか?としての指摘を受け、その対応に四苦八苦されているようです。
NPO界隈に向けて以下の発言を過去にされて警告をなされたようですが、そういうビジネスを展開していると誤解されたり、まんまそれをやっていると言われたり、colaboのことじゃないの?とも言われていたりします。
貧困ビジネスの実態なんやろな pic.twitter.com/qAgEOgA8EF
— ω (@ranranru762) 2022年12月31日
共産党との関係
共産党とcolaboが強く結びついていることも批判の的となっております。
ただ、特定の政党と仲良くするのはおそらく何も問題はないはずで、仮にcokaboが共産党と強く深くつながっているだけなら何も問題はありません。
単にそれだけの事で終わりですが、貧困ビジネス疑惑と不正会計疑惑が相まってくると、印象が大きく変わるようです。
”貧困者を養分にして吸い上げた金を共産党の活動の資金源にしているのでは?”と。
だからこそ共産党との繋がりを今回の件と絡めて主張する方が多いようですが、肝心の共産党側は関係性の痕跡を消しにかかっており、それもまた隠ぺいしようとしているのでは?という疑念を生んでいたりします。
日本共産党が全力で助けるのでしょうか...#仁藤夢乃 #Colabo #一般社団法人pic.twitter.com/Ov0XqfF3Oi
— 渡海 千明 (@ChiakiTokai) 2023年1月5日
#Colabo はもう、色んな所を敵に回したツケが大親分まで巻き込んで取り返しの付かない所まで行きそう。
— 化け猫提督@自転車≒ほぼ原付扱い (@Bakeneko_JABLaw) 2023年1月6日
所で #共産党 は、モリカケサクラであれだけ「不正会計は許さぬ!」って息巻いてたのに、子分のやらかした不当会計について、擁護なんてしないよね?
「ごめんなさいしろ」って怒ってくれるよね? pic.twitter.com/152g1isYtB
共産党の機関紙「しんぶん赤旗」はColabo関連の記事を削除してるそうですが、国会議事録は削除できません
— KSL-Live!(竹本てつじ) (@ksl_live) 2023年1月3日
Colaboを国会で取り上げた議員と発言まとめ 共産党が圧倒的多数、蓮舫、福島瑞穂も | KSL-Live! https://t.co/nPIcyl0kvl ,
というわけで・・・
NPO法人の会計不正問題という話題のようで、その本丸にあるのは、貧困ビジネスとそのお金の行方です。
特定の政党への資金になっているのではないか?
もしそうなら、そのために貧困者の貧困を固定化させるような取り組みをNPO法人が展開していることを容認しているということになり、とても許されることではないと言う憤りの声がこの件の全体像であると僕は解釈しております。
ただ、あくまで今のところはすべてが疑惑です。
変なお金の流れがあると証明するものが見当たりませんので、疑わしきは罰せずというスタンスでこの件を見るぐらいがちょうどいいのかな…と今のところは思っています。
もし、今回の件で改めるべきことがあるとするなら、NPOのお金の流れを完全に把握するための会計制度の整備だと思います。
領収書がなくても交通費だとして計上したから交通費ってことでOK!みたいな解釈をしている部分があるそうなので、そういう曖昧さをなくす。
補助金という名の税金が投入されているのですから、完全に透明化しても良いぐらいだと思います。
まだ決着を迎えてない話題ですから、しばらく様子を見たいと思いますし、次々にと新しい展開があることかと思いますが、合間をみて適時追記修正していきたいと思います。